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バツレナ1

2010年04月07日 23:01




・・・・この世界とつながるべき道を「無」は無くした。
砕けたクリスタルは復活し、徐々にその力を取り戻し、世界はまたクリスタルの保護によってよみがえる。
魔物たちは姿を潜め、凶暴さはなくなった。
無に飲み込まれた町や村もその姿をあらわし、みんなが世界の復活を意識した。
クリスタルの戦士も、役目を終える。





タイクーン城は主を待ちわびていた。
竜騎士の血を受け継ぐ二人の皇女。
しかし、戻ってきたのは、一人だけだった。
もう一人の皇女は、いない。
・・・レナ。
彼女は、「無」に飲み込まれたまま還ってきてはいない。


どれくらい眠っていたのだろう。
異次元の戦いから俺達は還って来た。
俺は無での戦いで負った傷が深く、昏睡状態にあった。
他の二人が何とかタイクーンまで運んでくれ、そして治療を受け、目を覚ました。
世界は徐々に変わっていく。
タイクーンは、いまファリスが女王として治め、戦前の繁栄を取り戻そうとしている。
「おれは、つなぎだよ。」
女王の座を継ぐときにファリスは言った。
「レナが帰ってくるまでの、つなぎなんだ。レナが帰ってきたときにタイクーンがへなちょこだったら、目もあてらんねぇや」
そう、彼女はいつもの口調で言った。

みんなから、大切にされていた皇女。
みんなから、愛されていた皇女。

みんな、彼女の姿をさがしている。


「だいじょうぶ」
クルルは言う。
「無からの出口はまだ完全にふさがってはいないはず。絶対におねぇちゃんはどこからか現れるはずよ。ぜったいよ」
みんな、そういう。
まだ、大丈夫だと。
必ず還ってくると。
みんな、信じている。


タイクーン城の一番高いところにある飛竜の塔。
高所恐怖症の俺は何度かしか行ったことがないが、彼女は軽々とした足取りで飛竜の塔の階段を駆け上がる。
・・・飛竜の塔から見る夕暮れ時の空の色は最高なの!
俺たちに感化されたのか、ちょっと乱暴な言葉で語尾を強くして言う。
・・・あなたの、瞳の色みたい。
オレンジ色の夕暮れを夜の闇が覆うその瞬間、空は深い藍色になる。

・・・みんな大好きよ。


俺は飛竜の塔の最上階でその光景を見ていた。
君は何を思ってここにいたんだろうか。
「めずらしいな」
振り返ると、風に長いスカートをなびかせてファリスがちかづいてくる。
「高所恐怖症じゃなかったか?」
「もう、なれたよ」
そしてまた夕暮れの空に目を移す。もう、太陽の姿は地平線に隠れ、夜の闇が空を埋め尽くし始めている。
「からだ、どうだ?」
「ああ、もう大丈夫さ。感謝してるよ。・・・おまえの女王様姿、板についてきたな」
やめてくれ、とファリスは目頭にしわを寄せる。
「あいつが帰ってくるまで、だな。良く拝んどけ。私のこの姿」
あいつが帰ってくるまで、、か。
俺はぎこちなくひざを抱え、言った。
「・・・生きてるだろうか」
ファリスは、ちょっと目を見張り、俺を見た。そして、女とは思えないほどに力がある手で俺のうでを掴む。
「・・・おまえが信じないで、どうするんだ」
「・・いてぇよ・・離してくれ」
ファリスはゆっくりと手を離した。俺は握られて赤くなってしまった腕をさすりもしないで、空を見る。
「わかってるよ。わかってるんだ・・」
還ってこなくても、見つけてやる。
クリスタルの戦士としての役目を終えたいま、俺は何はばかることなく自分の気持ちを伝えることができる。


君が生きる希望をくれた。


君は覚えているだろうか。
俺の故郷の村が「無」に飲み込まれたのを知ったとき。
君は絶望感に苛まれる俺のそばずっといてくれた。
君自身の故郷も「無」に飲み込まれたのに。
俺は、君がいなかったらあのとき、すべてを投げ出していたかもしれない。


俺はすっかり暗くなってしまった空を見上げる。そして立ち上がった。
「・・・行くのか」
ファリスは俺を見上げて言う。
「ああ、明日発つつもりだ」
「心当たりは?」
「あるよ」
それは確信。
ファリスも立ち上がり、ちょっと迷ってから、俺を幾分細くなってしまった腕で抱きしめる。
「必ず、レナを連れて帰って来い!」
俺もファリスをぎゅっと抱き締め、頭をなでながら言った。
「あたりまえだ。手ぶらでは帰ってこないよ」
ファリスはちょっと照れくさそうに身を離して笑った。


その樹はいつの時代もそこにあり、世界を見守ってきた。
世界樹。ここにくると俺は懐かしさを覚える。
ガラフが、、死んだ所だ。
「懐かしいな」
俺は、手向けの花を世界樹の幹におき、その雄雄しく枝を広げる様を見上げた。
ガラフや、おやじが守った世界だ。
俺たちが受け継いでいかなければならない。
すべて、生きている。

・・・・たのんだぞ。

おやじの声が聞こえた気がした。
「・・・・」
俺はあたりを見回す。
初夏のここちいい風が俺の頬をなでて通り過ぎてゆく。
俺のこころに残っているクリスタルの輝きが風の動きを感じる。
胸の鼓動が聞こえる。
「風が・・・」

バッツ。
お前はさみしがり屋だったからな。
私が生きている間、ほとんど何もしてやれなかった。
だから私がお前にしてやれる最後のことをするよ。


・・・・俺は今、最高に幸せだった。
今一番ほしいと思う人が、目の前にいた。
少女は・・・レナは、俺の目をまっすぐに見つめ、天使のように微笑んだ。
「またせた・・・??」



・・・風が、俺たちのそばを通り抜ける。
暖かく、やさしくなでられているようだ。
目の前に立つ少女の手を取る。
「ふるえているの?」
暖かくやわらかい手。過酷な戦いの中でこの手はいつもやさしく俺を支えていてくれた。
「寒いの?」
紺碧の瞳。ピンクゴールドの髪の毛。柔らかな曲線を描く唇。ふっくらとした頬。
君のすべてが、いとおしくてたまらなかった。
「・・・いや」
俺は情けないことに、ひざの力が抜けてしまい地面に座り込んでしまう。
「バッツ!どうしたの!」
くすくすとわらう君の声。大きな目を輝かせて俺を見る。
・・・・変わっていない、ぜんぜん変わっていない。
「ゆめみたいだ。。。」


夢じゃない。
夢じゃないんだ。
君がここにいる。
レナは、大きく腕を広げる。

「私は、ここにいるよ」


  はじめにお読みください。
  
  こちらのサイトはFF5・聖剣3・彩雲国物語の二次創作小説サイトです。
  カップリングはバツレナ・デュラリー・燕秀がメインです。
  (それ以外はあんまりありません)
  かわいいくらいのエロあります。閲覧は自己責任でお願いします。
  
  上記ゲーム等の版権元様とは一切関係ありません。
  

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