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バツレナ4-2

2010年04月28日 19:31

4の続きでございます。


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「バッツー!」
バッツは聞きなれたその声に立ち止まって振り向いた。
「クルル。どうしたんだ?こんな所で」
クルルはバッツに飛びつくと、息を整えながら言った。
「だって、はじめてだもん。タイクーン?って言う街。いろいろ見てきちゃった!」
あぁ、そうか。バッツはおもった。違う世界にいたクルルはタイクーンは面白い街だろう。
将来、もしかしたらタイクーンとバルは同盟を結ぶかもしれない。
「だから、いなかったのか。城に」
「うん!楽しかったよ。いろんなものもらっちゃった。」
クルルは左手に持っていた肉のサンドイッチにぱくりと噛み付いてみる。
「ん!おいしい!」
そんな少女の様子にバッツは苦笑して、
「あまり一人で出歩くなよ? 気をつけないと」
「アタシはクリスタルに選ばれたおんなのこだよ!平気平気!」
といいながら、クルルはみずたまりにすべってしりもちをついてしまった。
「だから、言ったろ?」
バッツは情けない顔をしてるクルルに向かって飛び切りの笑顔を返した。

「わぁーこれおねぇちゃんに似合いそう。」
クルルは露店に綺麗に飾られたひまわりの花束を指差す。
「レナに?」
「うん!おねぇちゃんはこういう華やかなのが似合うよ!」
ふぅん?バッツはちょっと考えて、「このひまわりの花束をくれないか?」売り子に言う。
「おねぃちゃんにあげるの?!」
クルルはニヤニヤしてバッツを見上げる。
「そうだよ。どうせパーティだろ?」バッツは何事もなさそうな表情でさらりと言う。
それでもクルルのニヤニヤはとまらなかった。
「ファリスにはいいのぅ?」
「あいつになんかあげるかよ。オトコだぞ。花なんて似合わないよ。」
クルルはそれを聞いてプ~っと吹きだす。
「そ、そうだよね!(ニヤニヤ)」
「なんだよ。クルルはパーティの準備をしなくていいのかよ?準備することいろいろあるんじゃないのか?」
「あーっ、そうだった!わすれてたよぉ~」
少女はあわてて駆け出す。
綺麗に包まれたひまわりの花束を受け取りながら、バッツは微笑んだ。
バッツは夕闇が迫るタイクーンの街をゆっくりと歩いていく。
多少、遅れてもいいか。
バッツは近くの酒場に入った。主役はお姫様たちだ。


パーティは盛大に始まる。
世間の情勢を考えると少し派手かもしれないとファリスは思ったが、レナの帰還ということでちょっとは大目に見てやろうと、思う。
ファリスも馬鹿騒ぎは好きなほうだ。
すぐに招待客たちと打ち解けて酒の飲み比べをしだす始末。
クルルは異世界のものを見るのが楽しくてしょうがないらしく、会場を走り回っていた。
というところで主役のレナ様は。
「・・・」
ご立腹であった。
「姫様・・」
主役の責任感か、常に笑みを絶やすことはしていないが、その雰囲気でそばにいるものは容易にレナが怒っていることがわかる。
しかし、パーティが始まる前はいつもの姫だったのに。
めったに姫が怒っている姿を見たことが無かったため、部下たちは困惑気味だ。
「姫様・・?」
ジェシカが遠慮がちにレナに話しかける。
レナは一瞬振り向き、また正面に視線を戻してため息をつく。
「・・ちょっと疲れたので、部屋で休むわ」
桜色に光るこの日のために用意されたドレスを揺らしながらレナはパーティ会場を後にする。
残されたものたちはただ、顔を見合すだけだった。


「れーなv」
自分を呼ぶ聞きなれた声にレナは足を止める。呼び止めた姉の口周りについたワインをふき取る。
「・・飲みすぎじゃない?」
ファリスは後ろに屈強な男たちを連れていた。どの男たちもファリスに酔わされ、夢見ごこちで彼女の後を追ってきたのだろう。
「そんな飲んでないよ~。でも、ちょっとハメをはずしちゃったぁ」
ファリスはレナの腕に自分の腕を絡め、そのまま歩き出す。レナの部屋のほうではない。
「姉さん」
レナは心なしか口調を厳しくする。自分は部屋に帰りたかったのに。
「こらこら、そんな態度はよくないぞぉ。わたくしにはレナ姫のご立腹具合が手に取るようにわかる。そしてその理由もな」
はっとしてレナはファリスを見た。そして苦笑する。姉には何でもお見通し。
「バッツが、うらやましいか」
こくん、とレナはうなずいた。
天下のタイクーンの舞踏パーティに招待されている主役の一人だというのに(本当の主役はレナとファリスだが)、まったく現れもしないで、、、、本当に自由な人。
国とかに縛られるような人ではないとわかっていたけど。
「、、、なんか腹立つ」
「、、、言うようになったねぇ。そばにいるオトモダチの影響ですかね。付き合うの、止めたほうがおねいちゃんは良いと思うヨ」
レナはじろりとファリスをみる。オトモダチじゃなくて、一番に影響を受けているのはあなたです、とでも言いたげに。
「いい加減、レナも自由になって良いんだぞ。何にも縛られる必要はないって」
その言葉に、ぱちりと瞬きをして、急にまじめな表情になった姉を見上げる。
ファリスはレナの頭をよしよしとなでながら。
「今までよく父を支えて、父がいなくなってから一人でがんばってきたね。、、もうこれからは、俺がいる。全部任せてくれてもいい。それが心配なら、影で見守る程度でもいいぞ」
姉の言葉に、妹は唇を噛んだ。瞳にじんわりと涙が浮かぶ。
「なんならバッツを追いかけて行っても良いし」
「なんでそこでバッツがでてくるのよー!」
「言ったろ?」ファリスはぱちんと片目をつぶる。「姉は妹のことなら何でもお見通しさ」
レナは赤くなった瞳でじっとファリスを見つめ、吹き出した。
「まったく、かなわないわねぇ。でも妹にも姉の心はお見通しよ」
「何が」
「全部任せても良いって言ってくれたけど、今の姉さんに任せたら逃げ出しちゃうわよ!」
まぁ、そうかも。ファリスはそこはあまり否定せずおいた。
「ところで」
「なに?」
「バッツなら中庭にいたぞ」
レナはぐっ、、、と空気を飲み込む。
ファリスは面白そうに微笑んで、またホールに戻っていった。
しばらくレナは姉の姿を見つめてたたずんでいたが、くるりと背を向け、その場を立ち去った。


確かにバッツはそこにいた。
一応正装はしていたが、上着は着ていないし襟元はゆるくくつろいでいて、おまけに袖もまくっていた。
パーティに行くか行くまいか、それともお呼びでないか、考えている風であった。
おまけにそばには少ししなびてしまったひまわり。
、、生意気。
レナは鼻の頭にしわを寄せた。そのくだけた感じがとても似合っていつもより格好良く見える。
灯篭の光にかすかに照らされた横顔が、憂いを帯びているようで、何を思っているのかわからないがそばに駆け寄ってみたくなる。
が、今のレナにとっては、むかつく気持ちの対象であった。
「ひどいじゃない」
突然振ってきた声にバッツはゆっくりと顔を上げる。
、、そんなしぐさも格好良くてむかつく。レナはますます怒りをにじませて、グリーンの瞳を細める。
「姉さんの折角の晴れ舞台なのに、現れもしないなんて」
レナの非難を含んだ口調にバッツは悪びれる風もなく、静かに微笑んで見せた。
「ごめんな」
いつもそう。自分だけで解決して、いいわけも言わない。、、ほんと生意気!
「、、、これが俺の性格なもんだから。悪い」
レナ細めていた瞳を見開いた。
「、、わたし、声に出した?」
「うん。ほんと生意気って聞こえた。生意気も性格のうち」
ひょい、と肩をすくめる英雄の息子に、レナはぷりぷりと怒った。
「ずっと、待ってたんだから!」
「だから、ごめんてば」
レナはファリスのために怒っているように言ってはいたが、本当はわかっている。バッツをみんなの前に出して紹介して、暗に品定めをしてもらおうと思っていたのだった。
城を預かる大臣たち、側近、女官、対外国の使い。姫の気持ちとしてこの人でなければダメだ、と知らしめるつもりであった。
そんな気分を察したのか、バッツは現れなかった。レナは自分の気持ちを恥じた。レナの所有物ではないのに。政治に利用するわけではないが、政治に利用できると思わせてしまうかもしれない。
バッツの深い青い瞳を見ていると、自分の思いがどれだけ勝手だったのか、その深い瞳が自分を責めるようで、レナはうつむいた。
「、、待ってたんだから、、、」
でもこの思いは本当。レナはバッツを待っていた。
「うん。君は悪くない。俺が約束を守らなかったのが悪いんだ」
レナの罪悪感を知ってか知らずか、ぽんぽん、とむき出しの肩をたたく。そしてその肌が冷たくなっているのを感じると、バッツは脱いであった自分の上着をレナの肩にかける。
「、、、ありがと、、、」
「、、、鼻水、出てたから、寒いのかなって」
無言で殴りかかろうとしたレナを抱きとめてバッツは笑う。

「踊ろうか」
「ここで?」
「うん。月が綺麗だし」
「、、理由になってない」
「パーティ、行かなかったし、せめてもの罪滅ぼし」
「、、、ほんとに踊れるの?」
「、、、一応」
「足踏まれたくない」
「、、じゃあ、どうすればいい?」
「、、、」
「ほんとに怒ってますな」
「キスして」
「、、いいの?」
「何度も言わせないで!」

また怒って腕を振り上げた姫の腕を取り、男は姫の腰を抱き寄せ、姫は目をつぶった。
そして軽く頬に口付ける。
姫は不満そうに薄目を開けた。
男は、微笑んだ。

「、、なぐる」
「、、それは勘弁」

レナの桜色の唇はバッツによって奪われ、離れがたいように何度も口づけされ、唇から耳、耳から首へ、そして肩と、胸元へ。
ちゅ、、、ちゅ、、、と、快い音が響く。
身体に口付けされることは想定外だったレナは恥ずかしそうに身じろぎした。
肩の上着が落ちる。いつの間にか上着が要らないくらい、身体が火照ってきた。
バッツの手が腕をすべり、手のひらに口付けしてそして離れた。
あ、、と心細げに吐息を漏らすレナをもう一度抱きしめ、耳に何事かささやく。
レナはその言葉を聞くと、恥じらいながらもうなずいた。
そして灯篭の影に二人は消えた。


後に残ったひまわりの花束を拾い上げる人がいたことを二人は知らない。
姫のかつての教育係だったその女官は、さびしげに、でもどこか誇らしげに微笑んだのであった。



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この後、することはひとつですよね!(鼻息)





  はじめにお読みください。
  
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  (それ以外はあんまりありません)
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