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バツレナ1-2

2010年04月07日 23:03

「ここからみる夕焼けの風景がとってもきれいなの」
ピンクゴールドの髪を風にもてあそばれながらレナは言う。
「・・・そうだな」
バッツは目を細めながらうなずいた。




タイクーン、飛竜の塔。
ここは、地上の音が一切聞こえてこない。聞こえるのは、空からの音だけ。
「相変わらずね」
レナは微笑んで、バッツのそばにしゃがむ。
「これでも、ちょっとはましになったんだぜ」
目を伏せてそっぽを向くバッツにレナは微笑んだ。


喜びの大合唱。
バッツとともに姿をあらわしたタイクーンの第二皇女レナ。
世界が平和になった日から姿をけしていたが、何年かしてバッツのあとについて現れた時は
本当にタイクーン城が壊れてしまうのではないかというほどの歓声が上がった。
生きていた!姫が生きていた!
いなくなったときとほとんど変わない姿。
年老いた大臣はレナを抱き締め涙ながらに叫び、ファリスはうなづいて自分の頭からティアラをはずし、
レナの髪にさした。皇女はもう生きてはいまいとあきらめていた人々も目に涙をため、
タイクーン万歳!レナ皇女万歳!!と叫ぶ。
レナ自身も涙を流していた。


「おとうさま」
飛竜の塔からレナは空に向かってつぶやく。
「ありがとう。。。」
それを聞いて、バッツは微笑んだ。
「バッツ」
「ん?」
「わたし。。」
レナはちょっと翡翠色の瞳を伏せて、言う。
「タイクーンはファリスに任せようと思うの」
バッツはレナを静かに見つめ、次の言葉を促した。
「タイクーンは、復興したわ。私がいない間に。このままファリスがタイクーンを引っ張っていった方が
よいと思うの」
「君は、どうするの?」
空はほとんどが藍色に染まってきた。太陽の残視が地平線をかろうじて照らす。
「じつは・・・ね、わたし・・・」
レナはくっとかおを上げてバッツを見つめる。
「みんなと一緒旅してきた中で、いろんなものをみて、聞いて、こんなに自分が世界のことを知らなかったなんて、
って思ったの。そりゃぁ、把握はしていたけどたりない!ぜんぜんたりないって、気付いたの。
だから、、もっといろんなとこをみたい。調べたい!」
・・・たしかに、変わったようだ。
バッツは目を細めてレナを見つめる。
最初にはじめて逢ったころ、レナはもっと消極的な、おとなしい性格だった。
悪いわけではないが、他人のことを優先して考えて行動しているため、いつも一歩後ろから物を
みていたという印象だ。
一緒に旅をして芯の強さを感じたが、自分からこうしたいとはほとんど言わなかった彼女が。
ここまで大きくなった。
バッツはレナを愛しい、と思う。
女を知らないわけではないが、ここまで愛しい存在は初めてだ。
「世界も地形もみんな変わった。歴史だって、変わる。人間も、変わってゆく。
この広い世界で、わたしに何ができるのだろうって、ずっと考えて。。」
「レナならできるよ」
バッツは、レナの瞳を見ながら言った。
うん、とレナは笑った。
「ありがとう・・・でも」
レナはもうすっかり暗くなってしまった空を見上げて言う。
「今は、、無理」
レナがかえってきたいま、タイクーンは二人の皇女を中心に世界の頂上を目指すであろう。
そんな時にレナは大事な存在だ。ファリスも、レナの旅にはいい顔をしないだろう。
「何年か後にできれば、いい」
「そうだな」
バッツも、タイクーンの現状がわかるから、よけいなことは言わないでおいた。
そして、よろよろと立ち上がり、レナに手を差し出す。
「そろそろ行こうぜ。風邪引いちまう」
レナは微笑んで、その手を取った。


レナはバッツと別れ、その足でファリスの執務室に向かう。
女王としての仕事は彼女を輝かせている。毎日忙しいはずだが、その合間をぬってレナの様子を見にくるのである。
・・・困った人。
レナは口元に笑みを称えながらファリスの出迎えをうけた。
「よぅ!レナ!元気か?」
手元にあった書類をほうり出して長いスカートのすそを蹴り上げながらレナの元に歩いてくる。
女性にしては背の高い彼女はどんな服装をしても似合う。
そばで書類のサインを待っていた大臣は彼女がほうり投げた書類をきちんとまとめて机におき、
レナに微笑みファリスの執務室を出る。
「大丈夫なようだね」
ファリスはレナのピンクゴールドの髪の毛をわさわさとなでながら言った。
「いま、大臣と話をしていたんだ。レナがちゃんと公務ができるくらいだったら、すぐにでも戴冠をしてしまおうって」
「・・・あのね、そのことでお話があるの」
ファリスはタイクーン王が愛用していたソファにレナを座らせ、自分もとなりに座る。
「無に飲み込まれてタイクーンはずいぶん荒れてしまっていたわ。町も、人も、心も。絶望でいっぱいだった。
でもね・・・・今はこんなにきれいな・・・・お父様がいたころよりもすべてが光り輝いているわ」
レナは風を入れるために大きく開け放たれてある窓の外を見つめながら言った。
夜の闇があたりを覆っているが、そこからは人々の安心した笑い声、明るい部屋の光、街角でダンスを踊る
人たちの陽気な音楽がかすかに聞こえてくる。
「本当に、感謝しているのよ。ファリス。ありがとう」
レナは微笑み、姉の顔をみた。ファリスの頬がみるみるピンク色に染まっていく。
「そ、そうかな?」
ファリスは父親と一緒に過ごした思い出はない。だが、父親がどこかでこのタイクーンのことをみていると思うと・・・。
「うれしいよ」
ニッコリ笑う。
「で、レナの戴冠式の日程なんだけどさ」
「そのことなんだけど」
レナはきちんと座りなおして、姉をみる。
「わたし・・・、王になるつもりはありません」


バッツは城下のオープンテラスで夜空に舞い上がる花火を見ながら食事をしていた。
花火の下では半裸の美女が舞を踊っている。それを野次が談笑しながら見つめ、時々銀貨を投げる。
バッツのとなりの空いている席に長い髪を無造作に結んだ背の高い女性が座る。
バッツはちらりと横をみて、目を伏せる。
「・・・・オィオィ、女王様」
「お前に話しがあったんだよ」
ファリスはウェイターにビールを注文して花火を見上げる。
「レナに聞いたよ。やりたいことがあるって。聞いてたんだろ?」
「あぁ、聞いてたよ」
「んもーー!びっくりだぁよー」
ファリスはそう言って頭を抱えた。
「改まって何をいうのかと思ったら!きっとバッツとの仲を認めてくださいとか、そういうことを言われるんだと思ってたのに!そしたら反対したのに!」
バッツはふぅ、、とため息をついてファリスをみる。
「なに言ってんだ・・・」
「で?で?お前たち、どこまでいったんだ? ん?ん? 俺のかわいいレナに手を出したりなんかしたら」
「なんにもしてねぇよ」
つまらなそうにバッツはソーセージをつまみながら言う。
「いま、そんな状況じゃないよ」
「ま、確かにな」
ファリスはビールを一口、飲みながら言う。
「レナが戻ってくるまでの王様役だったんだけどな」
花火はとうに終わり、踊り子たちも床に落ちている銀貨を集めている所だった。
集まっていた人たちもそれぞれまた歩き出している。
「レナが戻って来たら引き継ぎして、戴冠式をやって、俺はレナの補佐かなんかをしながら、海賊たちの様子をみたりして・・・」
ファリスは一瞬、夢を見るような表情をしたが、すぐに表情を引き締めて、言う。
「だけど、実際にレナが戻ってきたとき、俺は実を言うとちょっぴりお祭りが終わった気がしたんだよ、バッツ・・・こんな言い方は、卑怯だな。」
バッツは何も言わず、もう誰もいなくなってしまった広場に目をやる。
「おれは・・・・私は、このタイクーンを王として治めたい・・・」
やっと気付いたよ。
ファリスは照れくさそうに言った。
「私は、父親を知らない。タイクーンが故郷であるなんて思った事もない。だが、、レナは大切な妹だ。
彼女が暮らしたこの町を、もっと栄えさせたい。身近に感じたい。・・・そうすれば、父親も母親も、、、感じることができるかもしれないんだ」
「あぁ、そうだな」
バッツはニッコリと笑って、ファリスをみる。
「俺も、そろそろタイクーンを出るよ」
「えっ、そうなのか?」
ファリスは驚いてバッツをみる。
「あぁ。もうタイクーンは大丈夫だろ。レナも帰って来たし、ファリスが王位をつぐんだ。昔とは違うよ。大丈夫」
バッツに大丈夫、といわれると不思議と大丈夫な気がしてくる。その深く藍い瞳にみられると昂ぶった感情が落ち着いてゆくのがわかる。
「俺も、また昔のような生活に戻るよ」
旅をして、旅をして・・・終わりのない旅。そんな生活がバッツは気にいっていた。もう自分にはその生活しかできないことも知っていた。
「そうか・・・なにかおれにできることがあったらなんでも言ってくれ。力になる」
ファリスはちょっとだけ寂しそうに笑った。
「ま、永遠のわかれってことじゃないし・・・でも」
ファリスはバッツの目を見据えて言う。
「レナを、どうすんだ」
「・・・・どうもしないよ」
バッツはちょっと微笑んでぬるくなってしまったビールに口をつける。
「でも」
「いいんだ」
ファリスの言葉を封じてバッツは言う。
「・・・レナは、おまえに任せられるのはお前しかいないんだ、わかるだろ?」
愛してるんだろ?とファリスは無言の問いかけをする。
愛してるよ。バッツは思う。
「でも、今は別の道を行くしかないんだよ」
ファリスはそういうバッツの横顔を見て、ちょっと、安心した。バッツのココロの声が聞こえた気がした。
レナは幸せものだ。
そんな妹姫のことを羨ましく感じる。


挨拶しに行こうか、行くまいか。
バッツはめずらしく迷っていた。
バッツ用にあてがわれた部屋の窓から彼女の部屋のベランダがかすかに見える。
ため息をつく。
行動を迷う方ではなかった。
戦いの中で迷いは死に直結することもある。迷いは禁物であった。
即決。父親がそうであったように息子もそういう風にあるべきが自然であった。
・・・けれど、今回は。
ため息をつく。
レナにあってしまえば、きっと俺は離れられなくなってしまう。
大好きだ。大好きだ。レナのことが大好きだ。
はるか前に出会ったときから女を意識していた。
ずっと押さえていたんだ。いなくなってしまったときも、ずっと思いつづけた・・・。
ため息をついた。
そしてバッツは意を決したように歩き出した。
部屋のドアを開けて、まっすぐにレナのいる部屋へと・・・。


レナは扉のノックする音で本から顔をあげた。
こんな時間に・・・誰かな?
レナは絹のカーディガンを肩に引っ掛け、はだしのまま扉の方へと向かう。
「だぁれ?ファリス?」
「俺。」
「まぁ」
レナはあわてて扉の鍵を開ける。
「どうしたの、バッツ。中に入って」
だが、バッツは動かない。
「ここでいいよ」
「そんな・・・」
「明日、タイクーンを発つよ」
レナは、一瞬目を瞬かせる。そして細い手を伸ばしてバッツの日に焼けた筋肉質な腕を取り、
部屋の中に引き入れる。
「入って」


「・・・行っちゃうの?」
レナは心なしか潤んだ瞳でバッツを見つめる。バッツはその目をみることができずに視線をそらす。
「あぁ。もうタイクーンも安心だ。俺はまた旅をつづけるよ。クルルのとこにもいかなきゃな」
「・・・そうね・・。ほんとにあなたには感謝しているの」
「・・・仲間だろ」
レナはそれに答えず、バッツのごつごつした手を握る。
「わたし、うれしかったの。バッツが私を助けてくれて」
レナの瞳には大粒の涙がたまっていた。
「世界中の樹で目覚めたら、バッツがいた。いつだったかしら、魔物に操られて意識が無かった時も
あなたは私が目覚めるまでそばにいてくれたわ。いつも、助けてもらってばかり」
バッツはレナを抱き締めたくてたまらなかった。いつも望んでいたものが、すぐそばにいる。
透き通るような白い肌。折れそうなくらい細い腰。
だが理性がそれを許さなかった。
「何も永遠に別れるってわけじゃないさ。またくるよ」
バッツはレナの頬を節くれだった手でなでる。それが精一杯だった。
レナは微笑んだ。その拍子に瞳から涙が零れ落ちる。
「じゃぁ・・」
バッツは立ち上がって扉の元に歩き出そうとするが、一瞬早くレナの方が扉に駆け寄って鍵を閉め、
自分で扉の前をふさぐ。
バッツはレナのしたことに驚いてぽかんと口を開ける
「またって、いつ・・?」
バッツはそれに答えられず黙っていると、レナは手を伸ばし、バッツの服を掴み、胸に頬をつける。
「いっちゃ、やだ!」
バッツはちょっと戸惑ったが、レナの背中に腕を回した。
心臓の音が聞こえてしまいそうだ。
もう夜も遅い時間だからか、周りの音は一切無い。
「わがまま、言うなよ・・」
バッツは急に腕に力をこめた。腕の中のレナは消えてしまいそうに細かった。
「わたし、怖いの・・」
レナはバッツの胸に顔をうずめながら囁くように言った。
「ちゃんと一人でできるかどうか・・。自信が無いの・・だから、バッツにそばにいてもらいたいの」
「レナ」
バッツはレナの耳元で囁くように言う。
「きみなら、できる。だから、弱音なんか、吐くな」
ピンクゴールドの髪をやさしくなでながらバッツは言う。
うん、と小さくレナが返事をするのを確認してバッツは身体を離す。
照れくさそうにバッツはレナのひとみから流れるなみだをぬぐう。
「そんな顔しないでくれ。・・おれ、レナから離れられなくなっちまうよ・・・」
レナはバッツの両頬を小さな手で覆い、小さく、離れないでとつぶやく。
「わたしのそばにいて、お願い」
レナは目をつぶり、バッツの唇に自分の唇を寄せた。
天使の羽のような軽いキス。
突然のことにバッツは驚いてレナを見つめる。
「あなたのそばにいたいの」
バッツは震える手で、レナの頬をなぞる。そして、顔を寄せ、キスをする。
「・・・ほんとう、かい?」
バッツは今目の前で起きていることが信じられなかった。
レナが、俺を必要としてくれている?
「あなたを、愛してる・・・」
レナは潤んだ瞳でバッツを見つめ、つぶやく。
バッツの瞳から、一粒の涙が落ちる。
「俺も・・・俺も、レナを愛してる・・・」

赤銅色の肌と白い肌が交じり合う。
吐息と吐息が重なり、唇がためらいがちに触れ合う。
身体が、震えた。
青年は皇女のやわらかい肌に陶酔し、その感覚は脳髄をしびれさせる。
皇女は青年の腕に包まれ、恥じらいながらも身体を開く。
緊張しないで。青年は皇女の耳をそっと噛み、つぶやく。
はい、と皇女は青年の首に腕を回しながらうなずく。
時間が、溶けた。
空気が、溶けた。


私と一緒にいて。
私のそばに。
俺は、離れないよ。
君のそばを。


3日後、バッツは予定より遅れてタイクーンを出た。
事情を知ったタイクーン女王は大笑いしたが、自身も戴冠の準備で忙しい身であるから、
妹姫に細かく事情を聞くのはできなかった。
「戴冠がかたづいたら、聞き出してやるからな」
そう言って、不適に笑った。
妹姫は、以前よりも幸せそうだった。


  はじめにお読みください。
  
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  (それ以外はあんまりありません)
  かわいいくらいのエロあります。閲覧は自己責任でお願いします。
  
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