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デュラリー8-2

2010年06月19日 20:07

3.

式典から3日。
司祭の容態は思わしくない。
各国の重役が次々とお見舞いのためにウェンデルに来るが、ほとんど会えない状況で、またそれぞれの国に帰っていく。
シャルロットも付きっきりで司祭の看病をしている。
司祭は時たま目覚ますが、何もしゃべらず虚空を見たきりで反応は示さない。







デュランはウェンデルに滞在する期間を延ばして司祭のそばにいた。
英雄王はフォルセナに戻るときデュランの目を見て、からかうように言った。

「期待しているぞ」

いくらマナの力が弱まったとはいえ、マナの中心であるマナの樹の周りには手ごわい魔物たちの巣窟だった。
しかし、気分は軽い。
・・また、昔の様に・・。
思い出すはフェアリーを連れて旅をしていた頃。
少女二人との旅。

しかし、デュランはその思いをうちけした。
シャルロットは司祭に付ききりだろうし、リースは公務でこれないだろう。
「俺も、感傷的になったな」
年だろうか?かすかに笑いながら司祭の部屋の扉をゆっくり、静かに開ける。

「デュラン」
出迎えたのは、シャルロット。
心なしか、その瞳に喜色がある。
シャルロットはデュランの手を引いて司祭のいるところへ急ぐ。
司祭が寝込んでからこんなに元気なシャルロットは見たことがなく、もしかしたら司祭の目が覚めたのかと思ったが。
明るい日差しが入り込む司祭の部屋。ベットの脇にひざまずく一人の女性。
肩までの流れるような金の髪がゆれる。

デュランの瞳が揺れた。

「リース!」
眠ったままの司祭の部屋で大声を出したシャルロットは、あ、いけない、と今度は小さく「リース」と呼んだ。
女性はゆっくり振り返って、微笑む。
「お久しぶり」
その青い瞳は、少しも変わらずデュランとシャルロットを見つめた。

なぜか。
ひどく大人びたリースにデュランは少し気後れた。
もう10年たったのかと改めて実感し、そういう風に感じた自分に嫌悪を感じた。
思い出のリースはもういない。
そう思ってしまった。

リースは腰に抱きついてきたシャルロットに「静かに、ね」とささやき、頭をなでる。
シャルロットはすごい勢いで頷く。
彼女もまた、久しぶりにリースに会う。
司祭の看病は医師に任せ、3人は部屋を出た。


4.

「ほんとびっくりしたよぅ!!こないって、言ってたのに!」

シャルロットはリースを見ながら言う。
「髪・・切っちゃったんだね?」
「ええ・・気分転換には最高でしょ?」
と、リースは昔と変わらない微笑みでシャルロットを見る。
「いやーん、その笑顔、すごいかわいい!」
シャルロットは笑う。

二人と席を同じくしながら、デュランもリースを見つめていた。
10年・・10年ぶりだ。
昔の仲間を見て、美しくなった、とか、会いたかったよ、とか、お決まりのせりふが出てこなかった。
なんて話しかければよいか自分でもわからなくなってきて。

よわったな・・、俺、緊張してるのか?
デュランはリースから目をそらし、ぽりぽりと頭をかく。

「ほら、デュラン!」

シャルロットに呼ばれて、デュランははっとして彼女たちを見る。
リースは自分を見ていた。
透き通った青い瞳。昔とまったく変わらないその瞳の力強さにデュランは戸惑った。
すべてを見透かされそうな・・。
「お久しぶりですね」
リースはそういって笑う。

デュランは返答に困り、
「ん、、、うん、、まぁ」
というあいまいな返事しかできなかったのにはさすがにシャルロットもあきれた。
「なにそれ、久々なのに・・」
リースが笑う。
つられてデュランもぎこちなく微笑んだ。
10年前のあの日がチョットだけ、戻ってきたようだった。


「ほんとうに、お久しぶりですね」
シャルロットが司祭の看病に戻ってから、デュランとリースは二人になった。
あらためて、落ち着いて向かい合った。
「10年、だもんな」
何してた?ローラントはどうだ?病気はしなかったか?エリオットは?ナバールは?
・・なぜ、会えなかった?
沈黙が落ちた。
デュランはこの場にいづらくなり、逃げ出したくなってしまった。

「デュラン」
ふと、リースに呼ばれ、顔を上げる。
「マナの樹に行くの?」
リースの青い目がデュランを見る。
「・・・うん」デュランはかすかにうなずいて。「行って来る」
目はあわせない。デュランは自分と目を合わせてくれない。リースは少なからず動揺した。
これから言おうとする言葉を飲み込んでしまおうかとも、おもった。
リースは目を伏せた。金髪の髪がゆれる。
「旅に」しかし、デュランは・・心なしかうれしそうに言った。「出られるよ。また昔のように」
はっとしてリースはデュランを見た。そして、微笑む。
あぁ、この人は、昔と変わっていない。
リースは、自分の思いを信じた。そして・・司祭の気持ちも。
「デュラン?」
ん?デュランはリースを見た。
リースの顔は輝いていた。

「わたしも、一緒に行くわ!」





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ふたりの、旅。


  はじめにお読みください。
  
  こちらのサイトはFF5・聖剣3・彩雲国物語の二次創作小説サイトです。
  カップリングはバツレナ・デュラリー・燕秀がメインです。
  (それ以外はあんまりありません)
  かわいいくらいのエロあります。閲覧は自己責任でお願いします。
  
  上記ゲーム等の版権元様とは一切関係ありません。
  

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