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デュラリー8-3

2010年07月08日 22:07

5.

ウェンデルから、マナの聖地に一番近い場所まで船。そこから徒歩の旅となる。

ウェンデルでの残された時間にデュランは家族に手紙を書いた。通達は行っているだろうが、自分からの手紙を待っているだろうと思った。
ついてきた女もフォルセナに返した。女は渋ったが、連れて行くわけにはいかない。






「リース様も、行かれるのですか?」
女は船に乗り込む前に聞いた。
「ああ・・。一緒に」
「・・・。お気をつけて・・。デュラン様のお幸せを願っております・・。」
女は振り返らなかった。
デュランは、ちょっとホッとした。・・正直、もう一緒にはいれないと思った。
「最低だな・・俺も」
女の姿は、もう見えなくなっている。


旅に必要なものはウェンデルですべてそろえた。
旅立ちの日には、シャルロットや神官たちが見送りにきてくれた。
「あたしは行けない」シャルロットの唇がへの字にまがる。「おじいちゃんのそばにいる・・」
「うん」リースはシャルロットが一緒に行きたいと思っているのがわかるから、やさしくシャルロットの頭をなでた。「わかってるわ・・」
「司祭を、頼んだぞ」
デュランもシャルロットの目を見て言う。シャルロットはまっすぐにデュランを見てうなずいた。
「ちゃんと、神樹、植えてきてね」


10年前ののようなワクワクするような感じはない。
それでも、何かを期待するかのような胸のうずきは高まる。
「なれたものだ」
デュランはだんだん遠ざかる大陸を見ながら思った。

今自分たちが乗っている船は、ウェンデルの司祭用の船。小ぶりではあるが早い。
数週間のうちには聖地に一番近いところには着きそうだ。
船の旅は時間がかかるが、その間彼女の時間が空いているときのみではあるが、リースと色々な話をすることができた。
10年分のお互いにとっての空白の期間は思っていたより距離があり、お互いの考え方や、過去のこと、国のこと・・今になってようやく言えるような話もした。

「エリオットも、やっと生意気なことを言うようになってきたの」
「即位は、いつになるんだ?」
「来年・・その先かしら。もうあの子がローラントを引っ張って行くべきよね」
「うん・・よかったな」
「ええ・・」

「じゃあ、デュランもアルテナにいたんですね」
「ああ、なんであえなかったんだろうな?」

「あの時は本当にもうだめかと・・」
「そうか?俺が護ってやるって言ったのに。信じてなかったのかよ?」
「そんなわけでは・・」
「・・・」
「ほ、ほんとうです!」

ある時は甲板の上で。
違う日は食事を囲みながら。
床に座り込んで話した時もあった。

デュランにとってこの船にいる間は、とても心が休まるものだった。
リースと話していないときは甲板に出て素振りの練習をして時間をすごし(ちょっと船を傷つけてリースに怒られたりして)、パラディンとしての力量はいささかも衰えておらず、さながら剣舞を披露しているようで見ているものを魅了した。

そしてマナの聖地が、近づく。



6.


船旅が最終日の夜、ささやかではあるが酒が振舞われ、マナの女神に航海の無事と感謝がこめられた食事が出た。
マナが薄くなっても、信仰は失われない。
デュランはその様子を見ながら、これから神樹を聖地に植えに行く事は世界を一つにまとめる意味合いをかねて、司祭は自分を使わしたのかと漠然と思った。

甲板で久しぶりの酒を口に含みつつ、船員たちやローラントの女騎士たちが和やかに飲んでいるところを眺めていた。
そこに、リースがふわりと現れた。ほんのり、香水の匂いがする。
珍しい、とデュランは思ったが、今宵のリースの服装は質素ではあるが、きれいな格好だった。香水も不思議ではないと思いなおした。

言葉はなくリースはデュランの横に並ぶ。リースの腕がデュランの腕に触れる。その様子がひどく艶っぽく感じた。
「今日で船も最後ね」
「そうだな」
デュランは薄い酒を口に含む。甘くて、何かのフルーツみたいな味がした。
リースはデュランの腕にそっと手を触れた。デュランは、リースをみた。

「私の部屋にいきませんか?」

かすかに酔っていたのかもしれない。
普段であれば、リースの部屋に誘われても断っていただろう。
正直、理性を保つ自信がない。
しかし・・。

デュランはベットに腰掛けながらぼうっとろうそくに火を灯すリースの後姿を見ていた。
船室の中で一番の部屋なだけあって、質素ではあるがとても上品な部屋だ。
「何か飲みますか?」
リースに優しく言われたがデュランは断り、リースを呼ぶ。
はい、とリースは小さく頷くといつもふたりで話すようにデュランのすぐ隣に座った。

「本当に、戻ってきたんだな」
マナの聖地に・・。デュランは船の上からでもわかる、見覚えのある風景に不思議な感情を抱いていた。
リースも頷く。ベットがきしんだ音を立てた。
デュランは、リースを見た。リースも、デュランを見た。

さらり、とリースの金髪が揺れる。
なぜ、髪を切ったんだろう?

デュランはリースの流れるような金髪に触れた。ろうそくの頼りない光を受けてオレンジ色に光っていた。そしてそのまま、リースの頬に触れる。
リースはデュランの瞳を見つめながら、ぴくりと反応したが、嫌がる風ではなかった。

・・ああ、だめだ、だめだ。
デュランは思う。この手を離して、リースにお休みといい、この部屋を出なければ・・!
俺は、狼になってしまう。

・・・でも、指先から伝わる彼女の暖かさや、柔らかな頬。
酔いのせいか少し潤んだリースの青い瞳を見つめていると、この瞳には自分だけを映しておきたいと思うのだ。
他の誰にも奪われたくはない・・。
狼に、なりたいとおもうのだ。

・・自分の気持ちなど、もうわかっていた。
旅が終わってからフォルセナに戻って感じていた何か。
何かが足りないと思い続けていた何か。
ウェンデルでリースに会って、感じた思い。

そして、今・・。

ふわりと、軽く(それでもかかなり自制して)リースの唇の端にキスをした。
顔をゆっくりと離すと、戸惑いにゆれる大きな青い瞳。

デュランは、リースの腰を自分の方に引き寄せた。
今度は、唇に・・。


  はじめにお読みください。
  
  こちらのサイトはFF5・聖剣3・彩雲国物語の二次創作小説サイトです。
  カップリングはバツレナ・デュラリー・燕秀がメインです。
  (それ以外はあんまりありません)
  かわいいくらいのエロあります。閲覧は自己責任でお願いします。
  
  上記ゲーム等の版権元様とは一切関係ありません。
  

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