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燕秀5

2010年08月13日 16:19

燕秀5



「今から姫さん探しに行ってくるから、俺たちが戻ってこなくても、王様がやってきたらかまわず綱切って逃げるんだぜ」
「・・いーけど、エンセーたちはどうするのさ?」
「まぁ、何とかなんだろ」
急ごしらえの罠を作った後、燕青は蘇芳にいくつかの指示をして秀麗を探すために社へ向かっていった。
相変わらず飄々とした感じで危機感も無く。
「・・すげぇ活躍ぶりだよなー」
蘇芳は走り去っていく燕青の後姿を見ながらつぶやいた。
俺のお供役はもう終わったかな。
轟々と音を立てて流れていく水の音に首をすくめながら、蘇芳は船に寝転んだ。
「おじょーさんは幸せモンだな」
自分の腕を枕にして蘇芳はつぶやいた。





「姫さーん、どーこだー」
九彩江のてっぺんの社の作りは非常に迷惑なことに入り組んだつくりになっていた。
まるで九彩江がそのまま建物になったように。
道案内も無く、非効率だが通りがかる扉はすべて開けるようにしている。鍵のかかっている扉はかまわずぶち壊した。
山登りでへばっていた蘇芳を助けているうちに迅と秀麗の姿を見失ったのは失敗だった。
しかし、つかず離れずの距離を保っていたはずなのに。
もしかしたら迅がわざと姿が見えなくなるように道を選んだか、縹家の術か。
「くそっ」
もしや王様ともう合流したか?行き違いになっているか?
離れるべきではなかった。
迅というやつも信用できるかどうか分かるわけも無い。
秀麗に何かあったら。
燕青は冷たい空気が肺の中を満たすように心まで寒くなっていくのがまじまじと実感できた。

その時だ。
どぉん、と山が揺れた。

「なんだ?!」
燕青はあたりを見回す。
何かが起こっている。それはなんとなく秀麗がいるところで起こっているような気がした。
「・・?!」
揺れは大きくなったり小さくなったり、山自体が隆起しているように。
とりあえず社の奥を目指して行こうと燕青が思ったとき、横から近づいてくる気配に思わず身構えた。
「おや、無事こられてよかったな」
気配は十三姫を担いだ迅だった。十三姫は迅の肩の上で意識をなくしていた。
「姫さん、どこやった?」
何かしてやがったらただじゃおかねぇ、と無言の空気で語っている燕青に迅は肩をすくめた。
「ちょっと落ち着こうぜ。お嬢さんは最奥の部屋にいるぜ。今戦える気分じゃ無いからよ」
燕青は構えを解いた。たしかに、今の最重要事項は秀麗を救い出すこと。その次に王様。
「もしかして、藍将軍も来てる?」
燕青は十三姫を見て問うた。
「王様を担いで船の方に行った。・・こいつも、王様に預けるさ」
「そっか。・・・王様に預けていいのか?その姫さん」
迅はちょっと笑って答えた。
「・・その方がお互い幸せかもな」
”お互い”。
その言葉が誰を指して言ったことなのか。迅と燕青の考えるところの人物に当てはまるのか。どちらもわからなかった。
「じゃあな。お嬢さん、ちゃんと連れ出してやってな。俺は、王様よりあんたがお嬢さんを助けたほうがいいように思うぜ」
そういうと、迅は燕青が来たほうに向かって進んでいった。
「結構、いいやつジャン」
燕青はきびすを返して、最奥の部屋に向かった。

天井からぱらぱらと社の屋根のかけらが落ちてくる。
埃もすごい。床の揺れもひどく、いたるところに地割れが出来ていた。
そんな部屋の中に、秀麗が横たわっている。
あたりには鏡なのか、破片が凄い。
「姫さん」
まず、息を確かめ、頬を軽くたたく。
「姫さん」
閉じたままの秀麗の瞳は開かない。眠っているわけではない。意識が無いのか?
「勘弁してくれよ・・起きるよな?姫さん?」
秀麗のすそ飾りのようなクロがもぞもぞと動き、秀麗を見、燕青を見た。
ぐったりとした秀麗の体は冷えて、冷たくなっていた。
思わず燕青はそんな秀麗の体を抱きしめた。


「燕青さん!」


後ろから珠翠の声が響く。


秀麗の瞳がゆっくり、開く。
すべての感情が削げ落ちたような瞳。
瞬間、燕青は絶望した。
なにか、決定的に悪い方向に行くような気がした。

ただ、正気を取り戻した秀麗の第一声が、自分の名前を呼んだことに安堵し、先ほどの絶望は心に秘めた。
「燕青」
秀麗が燕青の名を呼ぶ。
それだけでいまは十分だった。

「やっぱり、燕青が助けに来てくれると思った」
ずぶ濡れになりながら、燕青を見て微笑んだ秀麗の笑顔に燕青はどうしようもなく照れくさくなり、ごまかすように秀麗の髪をかき混ぜるのだった。

(邵可様もうかうかしていられないわね)
珠翠はそれをみて微笑む。


そして秀麗は近づいてくる龍蓮の笛に対してぶち切れるのだった。




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「白虹」より。
妄想補完燕青お助け小説です。

なんていうか、迅との絡みも捨てがたいよね・・。

姫さんを助けに行く間がごっそり抜けているので、妄想補完してみました。
やべぇ~
燕青、かっこいいよな・・。









  はじめにお読みください。
  
  こちらのサイトはFF5・聖剣3・彩雲国物語の二次創作小説サイトです。
  カップリングはバツレナ・デュラリー・燕秀がメインです。
  (それ以外はあんまりありません)
  かわいいくらいのエロあります。閲覧は自己責任でお願いします。
  
  上記ゲーム等の版権元様とは一切関係ありません。
  

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