FC2ブログ

--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

燕秀7

2011年01月27日 00:59

藍州は水の都。
行きかう船は人々の幸せと商品を運び、貧富の差の少ない都は夕暮れの光を受けてきらきらと輝いていた。
その都のとある場所。


「おじょーさん、今日ちょっと燕青と飲んでくるわ」
「へ?」




意外な事を告げられた秀麗は書簡から目を上げて蘇芳を見る。
てれてれと机を片付けていたのは整理するためじゃなく、そのためだったと解り、秀麗は唖然とした。


「まだだって、りゅ・・主上の行方が」
「藍州州牧の知らせを待つしか今なすすべないし。まだ数日かかりそうだから今日くらいダイジョブさ」
蘇芳はすでに机を綺麗にし、自分の荷物をもって部屋から出ようとした。
「あー、そうそう、あんたも来る?たまには息抜きしなよ」
あんまりに自由な蘇芳に苦笑して、秀麗は微笑んだ。
確かに藍州にきてから休みなしで仕事だったから息抜きもいいかもしれない。
「調べ物が片付いたらお邪魔するわ。あんまり飲み過ぎない様にね」
へいへーい、と蘇芳は手を振り、一応場所を伝えて去った。


とある居酒屋。
「うぉーい」
燕青は先に一番奥の卓について先に始めていた。
「あんた酒強そうだね」
「まぁ、弱くはないわな」

藍州の酒は度数が強く、蘇芳の理性(?)を飛ばすのに非常に貢献した。。
かくして二人の男は日が暮れてとっぷり夜になっても酒を飲み交わし、主に酔っ払い度数のひどい蘇芳の人生のあらかたの出来事を燕青が知ってしまうのも、そんなに時間がかからなかった。

「あの時の女、、、すげぇいい身体でさぁ~、なんつぅか、俺、もう腰砕けだったワケ」
「タンタンは巨乳好きなのな」
「でも乳ばっかでかくてもさ、やっぱ尻も重要だよね」
「あー、うん、そうだな?」
そのへんどうなのよ、といいたげに燕青を見上げる蘇芳。(蘇芳はもう真っ直ぐ座っていられないのだった!)

「でもさー、エンセーもそうとーぅ遊んでそうだよなー」
そーかなー?燕青は過去の所業を思い杯を空ける。
「初めてしちゃったの、いつ?だれ?」
「だれって、そんなこと言っても知らないだろ」
「知りたい!やっぱりエンセーもおっぱいはおっきい方がいいよね?俺だけじゃないよね?藍州の花街はどうなんだろうな?貴陽の女の人は結構お高くとまってたけど、藍州の女の人は優しそう?みたいな?しょーじきおじょーさんの胸はまったいらで想像してもやる気もする気もおきないし。彼女、ほしーなぁ。いろいろ慰めてくれるおんなのこぉ。おじょーさんみたいに暴力的でない性的に魅力のあるおんなのこぉ~」


「へぇぇ、そりゃ楽しそうでいいわねぇ」


突然後ろから聞こえた怒気を含んだ声に燕青はすくんだ。恐る恐る振り向くと怒りで真っ赤になっている秀麗その人が。仁王立ち。コワイ。
不覚。燕青は思った。気付かなかった。蘇芳の話に結構夢中になってたのか、酒の力か。それとも秀麗の技があがったのか。
蘇芳は今しがた話題にしていた秀麗が現れたのにも関わらずいつも以上にヘラヘラテレテレしている。秀麗の怒りの波動に気付かないとは。酒の力は怖い。
「あれっ、おじょーさん、良くこられたね!今のウソ!ぼくちんの上司はいい上司・・」
と、燕青が手を翻すと、蘇芳の頭が机に落ちた。ちょっと飲みすぎの蘇芳はここで眠っておいたほうが身のためだと思う。燕青は心の中で合掌した。
「・・甘いわね」
明日憶えてなさい、とつぶやいた秀麗の言葉を燕青は無視した。これはいくらなんでも助けられない。

フン、と秀麗は鼻を鳴らすと、燕青の隣の丸い小さな椅子に腰掛けた。
「あのー、姫さん」
「何よ」
「どのへんからきいてた?」
秀麗の瞳がすぅっと細くなる。
「男性はみんな大きい胸が好きって所からよ」
「あちゃー・・」
ごまかす為に燕青は酒をあおった。もう味なんてしない。


「・・でも燕青もやっぱりおっきい胸のほうが好きなの?」


・・あやうく酒を噴くところだった。まさか秀麗からこんな質問が出るとは。
「あ、いや、いいのよ?別に。責めてるわけじゃないし。いいと思うわ、そりゃおっきいほうがね?」
卓の点心をつまみながら燕青の視線に気付いた秀麗は慌てて話を濁す。
燕青は杯を置き、探るように秀麗を見、言った。

「・・知りたい?」

燕青は自分の声がだいぶ艶めいた響きを出したことに気付いた。秀麗にこんな声を出したことは意識的にでも無く、自分が蘇芳に負けず酔いが心地よくなっていることを自覚する。
(やべー。酔ってんな俺。)
でも、酒を言い訳にして、困った秀麗を見てみたいと、いたずら心が騒ぐ。
「・・知りたい?俺のこと。好みがどうか、ききたい?」
燕青の声がいつもと違うことに秀麗は気付く。みるみる頬が赤くなり、そんな質問をした事を悔いた。しかし遅すぎた。
あれだけ騒がしかった店の中もいつの間にか客が減り、明かりが落ちて、恋人たちがささやき声を交わしていた。その中で二人、秀麗と燕青も肩が触れそうなほど近くにいる。仕事ではありえ無い距離に秀麗は些か戸惑った。

(何この雰囲気・・)

秀麗は明らかにドキドキしていた。
燕青は無言で、その黒檀の瞳を自分に向けていた。その瞳は肉食獣のようにきらめき、秀麗の心など一飲みにしてしまいそうな。
と、燕青の長い指が、秀麗の唇をかすめ、頬に落ちかけた髪をすくい、耳にかける。流れるような仕草。
びりびりと燕青に触れられたところに甘い痺れが残る。

(・・やだ・・)

居心地が悪くなって秀麗はうつむいた。こんな気持ちは初めてだ。
他愛の無い質問がこんなことになるとは。
と。

「・・・ぷっ」

燕青のかすかに笑う声が聞こえ、小さな声で笑う。
とたん、呪縛が解けたように空気が変わる。秀麗はほっとして顔を上げた。
さっきまでの詰まるような瞬間が嘘のように明るい燕青の笑い声が響く。
「姫さん、悩むなよー。真面目だな」
「え、、燕青ってば、、!」
「ごめん、ごめん、からかってないって!」
からかったのね!秀麗は顔を真っ赤にして燕青の肩をこぶしで押しのける。
「ふぁー、おもしろかった。ま、でももうそろ帰るか。明日も早いしな。タンタンもこんな位でつぶれるって事は相当疲れてたんだなー」

いつもの燕青だ。
秀麗はそう思わずにはいられなかった。
(さっきの燕青は)
たぶん、好きな人との語らいでは、こういう声を出すんだ、と思うと。
(ちょっと、嫌かも)
自分ではない他の誰か。
自分ではない・・。

秀麗はなんとなく自分が考えてはいけないものと思い、もう改めて考えるのは止そうと思った。
私は仕事の為にここにいるんだもの・・。
会計をしている燕青の後ろ姿を見て思った。




「良い夜だな」
蘇芳を担ぎ、店を出たとき、満天の星を見上げながら燕青が言った。
「また、飲めるときが来るといいな」




---------------------------


笑ってごまかしました、燕青です。


前半と後半でまったく趣の違う方向へ行ってしまいましたが。
亀の歩みの進展具合。

一気に布団を同じにする中にもっていきたいですな・・。


ちなみに燕青は結構経験済み、という裏設定です。(ウフフ)





コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)


      はじめにお読みください。
      
      こちらのサイトはFF5・聖剣3・彩雲国物語の二次創作小説サイトです。
      カップリングはバツレナ・デュラリー・燕秀がメインです。
      (それ以外はあんまりありません)
      かわいいくらいのエロあります。閲覧は自己責任でお願いします。
      
      上記ゲーム等の版権元様とは一切関係ありません。
      

    最新記事


    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。