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デュラリー1

2010年04月07日 23:47

赤い髪をした女の姿が遠ざかる。
その白い腕に抱えられているのは・・端正な顔立ちの金髪の少年。
女は一度振り向き、赤い唇をゆがめるように微笑むと、姿を消した。
後にはナバール城の硬質な地面が残されていた。






「エリオットーーーー!!」
金色に光る長い髪に縁取られた少女の顔が苦痛にゆがむ。
少女にとってただ一人の肉親は、取り戻すことができない。
弟を取り戻すために、ずっと長い旅をつづけてきたのに。
「リース!」
聞こえたのは仲間である聖戦士の声。
その声が体に染み渡る。
腕が・・震える。
「エリオットは・・?!」
リースはただ首を振る。金糸のような髪が波打つ。
「そうか・・」
聖戦士は暗い廊下の奥を見据えながら悔しそうにつぶやく。
リースはうつむく。
悔しさに、唇を噛んだ。血の味が口の中に広がる。
力もつけた。あまりの強さに禁じられた「ヴァナディース」の称号も手に入れたのに。
それでもまだ、弟は取り戻せない。
知らぬ間に涙が、流れた。頬を伝い、光を集めながら地面に落ちる。
「・・泣いているのか」
聖戦士が静かに、聞いた。
「・・・いいえ」
リースは乱暴に涙をぬぐうと、顔を上げた。
「行きましょう、みんなを待たせるわけにはいかないわ」
リースはそういって歩き出そうとした。が、聖戦士の手がリースの腕をつかむ。
「・・・デュラン」
リースの声が震える。
弟を救えなかった悔しさにリースの心は傷ついていた。
いつになったら・・弟を助けられるのだろう。
「は、はなしてくださ」
今にも消え入りそうな声で、リースは言う。
デュランの手から伝わってくる暖かい温度に心が負けそうになる。
「泣けよ」
静かに、デュランは言った。
リースはきれいな空色の瞳でデュランを見る。
白銀の鎧を身にまとった姿が瞳に映る。その姿が徐々にゆがむ。
「ずっと、我慢してきたんだろ。ずっと・・。」
泣けるときに、泣いた方がいい・・。
リースの瞳から涙があふれ出てきてとまらない。
ガラン、とリースの持っていた槍が倒れる。
「うっ、、ふぇ・・・」
顔を覆って泣き出したリースのそばに、デュランは立っていた。
やさしく、髪をなでる。
子供のようにリースは泣きじゃくっていた。
普段の表情からは考えることもできないくらいに幼い。
これが、本当のリースの姿なのではないかと、デュランは漠然とおもった。
・・・まだ、知らない顔があるもんなんだな。
何年も一緒にいるように思える仲間なのに。まだまだ知らない。
・・急に、リースの体がとても細く壊れやすいもののように思えた。
はかなく、なくなってしまいそうで、怖くなった。
デュランはだいぶ落ち着いてきたリースの腰を引き寄せる。
そして自分の体をぴったりとよせる。
確かにある存在にほっとする。リースの体温が伝わってくる・・。
「?!」
リースはこれにはびっくりし、ほほを染めた。涙は、どこかにいってしまった。
「デュラン!」
「あ、、、。す、すまん」
無意識のうちにやってしまった行為にデュランは驚き、あわてて彼女のそばから
離れる。
「えっと・・・その・・・」
うろたえるその姿にリースはおかしくなり、つい、笑ってしまった。
「あ、笑うな」
「あはは、ごめんなさい。・・・じゃあ、そろそろ行きましょう」
泣いたら、すっきりした。
この先も、エリオットを取り戻せるチャンスは出てくるだろう。
それを、思おう。
「あぁ、そうだな」
デュランも照れ隠しに微笑み、もと来た道をゆっくり歩き出した。
リースはそんなデュランを見て、ありがとう、とつぶやいた。


end


  はじめにお読みください。
  
  こちらのサイトはFF5・聖剣3・彩雲国物語の二次創作小説サイトです。
  カップリングはバツレナ・デュラリー・燕秀がメインです。
  (それ以外はあんまりありません)
  かわいいくらいのエロあります。閲覧は自己責任でお願いします。
  
  上記ゲーム等の版権元様とは一切関係ありません。
  

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